![]() |
歌舞伎、長唄、能の舞台へ立つ。今回伺ったのは、歌舞伎長唄の囃子方で重要無形文化財保持者の認定を受けている堅田喜三久さん。堅田さんは歌舞伎長唄囃子の望月流、九世望月太左衛門の次男として生まれた。幼い頃から長唄囃子に囲まれて育ち、16歳のころから叔父の堅田喜惣治に師事し、2年後に三世堅田喜三久を襲名した。お兄さんが望月流を継ぎ、自身は堅田流を継ぐことになった。 |
洋楽と邦楽の違いと面白さ。昔からジャズが好きだったという堅田さんは「囃子の演奏会は切符なんて買ったことないけど、ジャズはちゃんと切符を買って聴きに行きましたよ」と言って笑う。 「洋楽の分野に飛び込むことにも恐怖心は少なかった。だからいろいろと勉強にもなりました。洋楽はメトロノームのリズムですね。邦楽では、鼓はドレミなどの音階を使うことはないし、三味線やお琴の“うねり”に正確に打楽器をあてなければいけない。洋楽、邦楽では“狙い”が違う。そういうところがすごく面白かった。厳しくもありましたけどね」 |
![]() |
![]() |
受け継がれる譜面。とにかくまずは聴いていただくのが一番といって、一冊の手帳を取り出した。そこには○や×のような記号が書き込まれている。「これが譜面なんですよ」とこちらを向いて堅田さんは笑う。 |
演奏家の感覚。譜面を見て、これがタ、これがポンといって堅田さんが鼓を打ってくれる。すると一気に舞台が目の前に広がっていくようだった。次には、小鼓と大鼓で掛け合いも披露してくれた。2種類の鼓の心地よく体に響く音、その軽快な掛け合いに思わず、「ジャズのお話を聞いたからかもしれないですけど、ジャズっぽいリズムのやりとりにも聴こえますよね」と中田が言う。 |
![]() |
ACCESS
- 堅田流 堅田喜三久
- 東京都中央区