日本三大あんころ餅にあげられる「圓八」

日本三大あんころ餅にあげられる石川県「圓八」

石川県には、2017年にアジア人として初めてジェラート世界一に輝いた「マルガージェラート」など新しい甘味のお店もあるが、老舗和菓子屋「圓八」のあんころ餅は、古くから地元民に愛されてきた。
お伊勢参りで有名な三重県「赤福」、大名行列の接待から生まれた岡山県・倉敷の「あんころ餅専門店 元祖とら屋」と並んで、日本三大あんころ餅と言われている。
北海道産の小豆と霊峰白山の山麓で栽培されたもち米を使用し、白山の伏流水で小豆を蒸してさました後再び煮てさらに蒸すという工程を何度も繰り替えすことにより、あくや雑味を無くし、お店秘伝の蜜を加えて、滑らかで、独特の味と風味豊かな餡を作っている。

圓八の創業は元文2年(1737年)。明治31年には、北陸線開通と同時に松任駅構内にて販売許可を受け、ホームでの立ち売り営業をしていたこともある。現在は本社のある白山市をはじめ、金沢や小松市、加賀市にも店舗があり、石川銘菓として広く知られる存在だ。金沢駅や小松空港、名鉄エムザなど主要な施設でも取り扱いがあるので購入しやすいことも、人気の理由といえるだろう。

竹皮の包みを開けると、女性でも一口で食べられるサイズのあんころ餅が9つ並んでいる。小豆の味わいが濃く上品な餡が柔らかい餅を包んでいて、素朴な味わいではあるが、ついつい手が伸び、やみつきになるのもうなずける。

圓八のあんころ餅には逸話がある。
創業した年のある日、店主が裏庭に羅漢柏の苗木を植えて「わが願いが叶ったら、大きく茂ろ」と深く祈り、翌日の夕方、妻子を残して行方不明になってしまった。
妻子は生活苦に悩まされたが、その年秋、ある夜中に妻の夢枕に天狗の姿になった夫が現れた。その天狗は「京都の鞍馬山で天狗について修行をしている。私がおしえる作り方で餅を餡で包んで食べれば、息災延命、商売繁盛になるだろう」と告げ姿を消したのだとか。

この話が実話なのかは定かではないが、圓八のあんころ餅は約270年余りの間、昔ながらの製法を守り、地元のみならず全国のファンを楽しませている。

あんころ餅が有名な圓八だが、他にも人気のどら焼きがある。ふわふわ柔らかい生地に人気の餡と生を混ぜてサンドしている「生どら焼き」、クリームチーズが入った「チーズどら焼」、粒あんと抹茶が絶妙にマッチした「抹茶どら焼き」の3種類。どれも軽い食感でペロリと食べられてしまう。

白山市の本店では、あんころ餅やどら焼き以外にも、和菓子や、地元の著名ジェラート店「マルガジェラート」とコラボレーションした「あんころジェラート」なども購入が可能。あんころ餅と煎茶のセットなどをお店でいただくこともできる。

ちなみに、あんころ餅やどら焼きは圓八の公式サイトから購入することができる。あんころ餅は日持ちしないので冷凍便となるが、自然解凍するとそのままの美味しさを味わることができるので、取り寄せて楽しんでみてはいかがだろうか。

ACCESS

圓八
〒924-0023 石川県白山市成町107
TEL 076-275-0018
URL http://www.enpachi.com/user_data/enpachi.php