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一代一職という信念15歳のときに親元の山形県新庄市を離れて東京へ。それから約60年。鍛金の世界に身をおき、1995年には重要無形文化財保持者に認定された奥山峰石さん。 |
豊かな自然を器に表現する奥山さんが得意とする技法は、切り嵌(きりばめ)象嵌と打ち込み象嵌というふたつの技法だ。 そのふたつの手法により生み出されるのが、奥山さんの作品の特徴である豊かな自然の描写だ。金属を象嵌したとは思えないような繊細な描写は、細やかな枝ぶりや葉、大胆な花を描き出す。ただし、この作業は想像をはるかに超えるほど大変なものだ。中田もハガキサイズの銀の板に、木のモチーフを打ち込む作業を体験させてもらったが、時間も根気もいる作業だった。 伊勢神宮に寄贈した大きな作品では、桜の花びらを1万2千枚も散りばめて描いたそうだ。打ち込み象嵌の技法を用いて、1枚1枚の花びらをすべて叩いて作り出した。その地道な作業が奥山さんの豊かな自然描写を生み出している。 |
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努力を忘れない奥山さんはこれまでの作家活動のなかで、納得した作品はひとつもないという。 この日、中田の制作した打ち込み象嵌の作品は奥山さんに仕上げていただき美しく完成した。 |
ACCESS
- 鍛金家 奥山峰石
- 東京都北区