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江戸で4代続く表具師の家「今は孫といっしょに仕事をできるのが幸せ」と語るのは、大正時代から続く江戸表具師の2代目である前川八十治(まえかわやそじ)さん。経師(きょうじ)とは、巻物、掛物、屛風やふすまなどの表装をする職人のこと。息子さんの前川治さん、そしてお孫さんもこの仕事を継いで、4代続く家業となった。 |
100年前の襖も現役表具師の仕事内容は多岐にわたる。もともとは仏教伝来と共に経典の表装技術としてその技術は伝わったとされる。以後、床の間が生まれ、茶道の興隆により需要が増えて、軸装を主とし、天井や壁、ほかには屏風や襖などの装丁や修復など幅広い仕事をするようになった。また、作って終わりという仕事ではなくて、張替えなどの修繕も主な仕事だ。 例えば襖。襖は横11本、縦3本の骨でできている。骨屋さんがしっかりと骨組みを作り、縁屋さんが丁寧に仕事をしたうえで、表具師の登場。数枚の紙を重ねるが、6工程ある下貼り作業の1つ「蓑張(みのばり)」は、骨組みとその周りの紙にだけしか糊をつけないのだという。この作り方なら、紙の間に空気の層ができるので、音が漏れないのだそう。 |
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掛け軸という芸術表具師の仕事は言ってみれば”よりよく見せる”仕事。つまり主役の絵や書はお客さんが持ってきて、表具師はその装丁をする。掛け軸がいい例だ。まず生地の和紙を選ぶ。「お客様の持ってきた絵を最大限に引き立てるのが仕事。」だと八十治さんは言い切る。 |
ACCESS
- 前川表具店
- 東京都墨田区千歳3-5-11