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帽子のオートクチュール、“オートモード”まだ海外渡航の自由化がされていない1960年代前半に単身フランスへ渡り、オートモードの巨匠ジャン・バルテに師事しその技術を日本に持ち帰った帽子デザイナーが平田暁夫さん。オートモードとは、洋服で言うところのオートクチュールのこと。できあがる帽子は、採寸はもちろんのこと、デザインから素材決めまで、すべてをオーダーメイドで作る世界でただ一つの帽子だ。 平田さんはフランスから帰ると、その技術を活かし、日本のデザイナーは勿論バルマン、ニナ・リッチ等のオートクチュールの帽子を担当、日本のファッションショー黎明期を大いに賑わした。その一方でオートモードの技術が評価され、日本の皇室を始め、世界各国の王室からもオファーがくるようになった。 |
手作りだから行き届く心遣い今回はそんな世界的デザイナーである平田さんのアトリエにおじゃました。案内してくれたのは平田さんの娘さんであり、自身も帽子デザイナーとして活躍する石田欧子さん。まず工房を見学する。工房にはさまざまな型があった。顧客ひとりひとりの型をすべて残しているといい、それに合わせて素材を選び、デザインに向けて形を作っていく。もちろんコサージュも手作りだ。既製品にはできない細かな配慮が帽子の隅々に行き届く。 |
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帽子は飾るものでなく被るもの欧子さんにお話を聞いていると平田さんがいらしてくれた。肩書きだけ聞くとカチッとした方とも想像するが、非常に柔らかな物腰の方だった。 「せっかくですから、頭のサイズだけでもいただいておきましょう」と言って、中田の頭を見てくれる。 そして平田さんの作った帽子を手にとり、実際に被ってみる。後ろをうんと浅く被って、前を深くかぶるとかっこいいとか、サングラスをしたときの帽子は難しいとか、帽子談義に時が進むのを忘れる。 |
ACCESS
- 有限会社オートモード平田
- 東京都港区西麻布4-8-1
- URL http://www.hiratatelier.com/