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扇子の持つ意味門をくぐり、寄り付きといわれる部屋に通される。案内してくれるのは遠州茶道宗家十三世家元である小堀宗実さんだ。本来は、もてなす立場の亭主である宗実さんはまだ登場する場所ではないのだが、今回は遠州流茶道について教えていただくために、最初から案内してもらった。 |
露地を堪能する。寄り付きでいっときを過ごし、外へ出る。お茶室に入る前に露地を通る。ここで本来ならば亭主が初めて登場しあいさつをするのだ。露地とはいわば中庭。その庭を眺め、歩き、中田は思わず「この落ち着いた感じがすごくいいですよね」と感想をもらす。 |
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お茶をいただくための空間。露地の静けさを堪能して、いよいよお茶室に入る。にじり口といわれる小さな潜り戸を入り、戸を閉める。ピシっと大きな音がするぐらいに閉めるそうだ。「もう最後の人が入りました」ということを亭主に伝える意味になる。 部屋に入るとすぐに目についたのは、床の間にかかった書の掛け軸と、花入れにあしらってある花。今回、東京の旅では、何人もの華道家の先生のもとを訪ねた。そのときに見せてもらった花とは少し違う。そのことを中田が質問すると「お茶の花と華道の花は少し違うかもしれません」と宗実さんはお話してくれた。 「お茶での花は、花それ自体を愛でるのが目的ではありません。お茶の邪魔にならないこと。だから香りの強いものはあまりよくない。それから書を邪魔しないこと。つまり、お茶を楽しんでいただくお客さまの邪魔をしないことです。そのうえで、その方の心を楽しませてくれる花でないといけない」そうして、空間の心地よさを作り上げるのだ。 |
すべてがお茶を楽しむ。宗実さんにたてていただいたお茶をいただいく。作法は経験してみなければわからないことばかりだが、その中田の心配を取り除くように、ひとつひとつの所作について教えていただきながらゆっくりお茶を楽しむ。 |
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ACCESS
- 遠州茶道宗家
- 東京都新宿区若宮町26
- URL http://www.enshuryu.com/