日本さくら草のある神社「高鴨神社」/奈良県御所市

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古くから信仰を集める高鴨神社

高鴨神社の起源の不思議

例えば、京都の賀茂神社のように、全国には賀茂や鴨、または加茂という「カモ」の名がついた神社がある。それらの総本社が、ここ「高鴨神社」だ。大和の名門豪族だった鴨一族の守護神を祀っているとされる。
鴨一族のことはじつのところよく分かっていない。いつ、どこから大和の地に定住するようになったのかも明らかにされていない。一説では弥生時代の中期ごろ、鴨一族の一部が大和平野の西端に位置する御所市に定住、稲作を始めたとされている。
高鴨神社の正確な創建の年代なども、もちろんわかっていない。しかし、のちの蘇我氏や物部氏が鴨氏から出た一族なのではないかといわれるように、多くの豪族、貴族がこの高鴨神社を崇拝していたとされることから、飛鳥時代以前から存在していたと考えられている。

貴重な花の保存と育成も行う

現在でも参拝客はあとを絶たないが、その目当てのひとつは「日本さくら草」である。日本さくら草は、以前は北海道から九州まで、日本各地で野生の群落がみられたが、現在は準絶滅危惧種とされ、埼玉県の自生地区は国の天然記念物指定を受けるなど保護活動が進められている。
その日本さくら草の、現存している品種のほとんど、約500種類を、高鴨神社で保存、育成しているのだ。4月から5月の開花期には2000株の花が開き、毎年多くの花見客で賑わいをみせる。現在は、「花の神社」としても訪れる参拝客の心をなごませている。

ACCESS

高鴨神社
奈良県御所市鴨神1110
URL http://www5.kcn.ne.jp/~takakamo/
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