ほんわかとした温かいデコ人形「三春張子人形作家」橋本彰一さん/福島県郡山市

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和紙で作ったデコ人形

2011年のREVALUE NIPPON PROJECTにも参加してくれた三春張子人形作家の橋本彰一さん。実は、TACK ACTION CHARTY GALA 2011で大変な人気を博した作品が、この橋本さんの参加するチームの作った大きなシロクマだったのだ。
作品の全長が2メートルを超える巨大なシロクマ。何でできているかというと和紙。和紙を木型に貼り重ねて成形する張子人形の製法をもとに作られている。
福島県では“デコ人形”と言われて親しまれている三春張子人形。約300年前の江戸時代元禄年間に京都から張子人形作りが伝わったのが始まりだという。ちなみにデコとは張子がなまったもの。橋本さんはデコ屋敷大黒屋21代目当主。美術教師を経て、実家の家業であったデコ人形作りを継いだ。伝統を守りつつも、新しいものを求めて、さまざまなチャレンジをしている作家だ。

職人達の集うデコ屋敷

橋本さんのお店と工房は、郡山市の山あい、自然の美しい集落にある。かつて三春藩により保護されてきた工人たちの集落だ。現在では橋本さんの大黒屋を含めて4軒のデコ人形屋が並ぶ。
「デコ人形はすべて手づくりなので大量生産できません。でも、それもいいかなと思うんです。実際にここに来てもらってのんびりした空気を感じてもらう、この雰囲気も含めてデコ人形の魅力だと思っています。」と橋本さんは言う。
今回お伺いしたときは、2013年の干支である巳(へび)の人形作りの最盛期。何人もの職人さんが、木型に和紙を貼り、人形を作り上げているところだった。

デコ人形を作る特別な技術

大黒屋のデコ人形作りは分業で行われている。なかでも木型を作れるのは橋本さんだけ。伝統の形を作るには、特別な技術も必要とされるのだ。お祖父さんの作業を子供の頃からなんとなく見ていたので覚えていることが多いと語ってくれた。そこで木型と紙を持ってきて、「じゃあ、ぜひやってみてください」と橋本さんは中田に目を向ける。

巳年の中田もいざ体験

早速、体験させていただく中田。お題はやはり干支の巳。濡れた和紙を、シワが出ないようにひっぱりながら木型に貼り付けていく。思っている以上に、和紙は強く、力を込めてひっぱっても破れない。
「うまい。器用なんですね。じつはヘビは難しい部類なんですよ」と橋本さんからお褒めの言葉をもらう。その言葉を聞いて中田はひとつお願いを。
「僕、巳年なんですよ。だからちゃんと作っておいてくださいね。僕の巳を!」
「じゃあ、2mくらいの大きいやつにしましょう!」
「もっと小さいやつで、お願いします!(笑)」
中田の体験は「紙貼り」という作業まで。このあとに、木型を乾燥させ、和紙を切って型を抜き、もう一度、和紙を合わせて形をつくり、上から絵付けを施していく。こうして実際に触ることで、和紙という素材の強さを感じることができた。

ACCESS

株式会社デコ屋敷大黒屋
福島県郡山市西田町高柴字舘野163
URL http://dekoyashiki-daikokuya.co.jp/
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