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艶やかな色彩の加賀友禅
京の都に革新的着物デザイナー、宮崎友禅斎が現れたのは、江戸時代の初期だといわれている。そこで形作られた友禅染が加賀に伝わり、加賀友禅として確立したのが1700年前後。京友禅は洗練されたデザインでもてはやされたのに対し、加賀友禅は描かれる絵の細密さ、緻密な彩色で人々の目を奪った。
加賀友禅の伝統をつなぐ作家
毎田健治さんは、その加賀友禅の伝統を受け継ぐ作家。
松や梅などの木々、季節の花々などを、爽やかな風をも感じさせる筆致で描き出す。
着物はもちろんのこと、音楽堂の緞帳など、スケールの大きなものも手がける。舞台に下ろされている加賀友禅の緞帳は、まさに圧巻。言葉も出ないぐらいに美しい。
絵筆を入れる
工房にお伺いして話を聞いたのだが、なんと中田も筆を入れさせてもらうことができた。
毎田さんが見守るなか、一筆ずつ色を入れていく。
金沢の風物詩ともいえる友禅流し。川にたなびく反物が、悠然のときを感じさせる。
加賀友禅の美しさが続く限り、その風景も続くのだろう。
伝統文化を代表する「加賀友禅の匠」柿本市郎さん/石川県金沢市 – NIHONMONO
花鳥風月を描く加賀友禅 戦国武将・前田利家を初代藩主とする加賀藩前田家は、百万石の財力を注ぎ込み文化の発展に力