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1500℃に熱した鉄を扱う南部鉄器の製造工程を見学するために、岩手県盛岡市にある株式会社岩鋳を訪ねた。株式会社岩鋳は明治35年創業。国内でも有数の大型工場を持ち、現代の生活に馴染む鉄瓶や鉄器から、約400年の伝統を受け継ぐ手作りの南部鉄瓶まで多岐に渡る製品を製造している。今回は観光施設と工房を兼ねた「岩鋳鉄器館」を訪れ、職人による手作りの作業を見学させていただいた。 |
南部鉄器には様々な工芸技術が盛り込まれている「南部鉄器の作り方というのは、簡単に言えば“鋳物”に当てはまります。ただ、砂や粘土から鋳型を作る工程は陶芸、鉄瓶を調整する工程は彫金、表面の加工には漆の知識が必要です。様々な工芸分野の技術が含まれるので習得にも時間がかかります。そして知れば知るほど昔の人の合理性に驚きますね」と八重樫さんは話す。 現在、国産の鉄は生産量が極めて少ないため、原材料の銑鉄は海外からの輸入し自社工場で最適な成分に精錬してから使用している。この銑鉄は炭素やシリコンを多く含み、割れにくい丈夫な鉄器になるというメリットもあるのだという。 |
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使うことによって“変化”を楽しむ「鉄瓶は、特別に扱いにくいということはありません。使えば使うほど良くなっていく物なんです。使い込むことで少しずつ変化し、その人の暮らしが写し取られていく。そういう魅力があるんです」 |
ACCESS
- 株式会社岩鋳 岩鋳鉄器館
- 岩手県盛岡市南仙北2丁目23-9
- URL http://www.iwachu.co.jp/