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南部鉄器との出会い岩手を代表する工芸品の南部鉄器のデザイナーである金属造形作家の廣瀬愼さん。東京でデザインの勉強をし、工業デザインを手がける仕事をしていた。ただ何となく「違うな」という思いをもち続けていたそうだ。そんなときにたまたまデパートのクラフトコーナーで展示されている鉄瓶を見た。それが南部鉄器との出会いだったという。 「その間にもずっとこれでやっていけるかという悩みはありました」と廣瀬さんは話す。基本的な修行を積みながら、夜になると自分なりに作品を作っていたという。お皿をデザインし、メーカーに持ち込み作品にしてもらった。そんなことを繰り返しているうちに、作ったお皿が当時の通産大臣賞を受賞することになった。 |
温かみのあるデザインを廣瀬さんは現在、南部鉄器の鍋や食器をデザインするデザイナーの仕事をしている。例えば取っ手を隠して鍋のように見えない鍋など、これまでになかった新しいデザインにもどんどん挑戦している。実は色も黒だけでなく鉄そのものの灰色もあり、顔料を塗布すれば様々な色を描くことも可能なのだという。そういったデザインの作業のなかで一番気をつけていることを聞くと、こう答えてくれた。 |
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使う人の言葉を聞く廣瀬さんがデザインをする際に絶対的なアドバイザーとなるのは奥さんだ。展覧会などに出品する「作品」として製作するものもあるが、もともとはやはり鍋や皿など「日用品」であるのだ。日常使うものだから使う人の意見を大事にする。見た目のデザインを考える上でも「使う」という観点は忘れていないのだ。 |
ACCESS
- 工房ヒロ 廣瀬愼
- 岩手県紫波郡矢巾町