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茶釜の道を進む
奈良県橿原(かしはら)市は、日本最初の都城である藤原京が造営された場所。また、橿原市今井町は、中世に自治都市として「海の堺・陸の今井」と称されるほど発展し、今でも江戸時代の町並みを残すことで有名だ。そんな歴史を色濃く残す橿原市で茶の湯釜作りを行うのは3代目川邊庄造さん。
川邊庄造さんは、2代目の父に茶釜作りを学んだのち、中央大学教授で茶道研究家の数江瓢鮎子(かずえひょうねんし)さんと、博識ぶりで有名な古賀健蔵さんの2人に師事し、茶釜の研究を重ねた。
作品の特徴は、はんなりという言葉がぴったりの大らかな姿。華美な装飾はなく、全体的に静かでやわらかな肌合いのものが多い。

熱く、重く、繊細な釜作り
茶釜は鋳物によって作られる。高温で溶かした金属を型に流し込んで、その全体像を作りこむのだが、この作業を中田も体験することに。真っ赤に燃え、どろどろに溶けた金属はもちろん熱い。だがそれ以上に重い。
それはそうだ、茶釜一個分の金属が柄杓のなかにはあるのだから。かなりの力仕事、想像以上の重労働だ。その後、釜の肌の模様を作る作業を教えていただいたが、こちらは実に繊細な作業だった。
川邊庄造さんは2004年に3代目を継ぐまでに、すでに西大寺の大茶盛の大釜をはじめ、秋篠寺や東大寺北林院・宝珠院に常住釜、中宮寺や薬師寺にも釜を奉納するなど、数々の大作を発表されている。現在、その後を追って、お嬢さんの尚子さんも釜師として活動されている。川邊さんの工房から今後どんな茶釜がうまれるのか、実に楽しみだ。

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