茅葺き屋根町並みを守る「大内宿」/福島県下郷町

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街道でひとやすみ

福島県南会津郡下郷町にある旧宿場。中央の大通りである旧街道をはさんで茅葺き屋根の建物がずらりと並ぶ。それが大内宿だ。年間100万人以上の人が訪れる一大観光地となっている。
江戸時代に会津西街道の宿場町として現在の大内宿は開かれた。一時は参勤交代の大名が通るほどに栄えたが、江戸末期には半農半宿といった形となった。明治に入り、街道の改変などがあると、大内宿を貫く街道に変わり新しく街道ができたために、大内宿は宿場町としての賑わいが失われていき、純粋な農村となっていった。

茅葺き屋根を残すために

昭和に入ると近代化されていき、電柱が立ち、アルファルト舗装もされていった。しかし1980年代以降、残っていた古き町並みが評価されるようになり、国の重要伝統的建造物群保存地区としても選定され、保存運動が盛んになっていった。そうして現在の美しい大内宿が保存されているのだ。
ただし、茅葺き屋根などの保存、管理には時間も労力もそして費用もかかる。それでもこの風景を残したいと熱心に、地道に保存運動は続けられている。大内宿の代名詞ともいえる茅葺き屋根については、毎週水曜日に研修を行っているそうだ。
「技術は残そうと思わないと、忘れられて残していくことはできません。しかも、それはやはり村の人、自らの手でやらないといけないと思っています」と案内してくれた大内宿観光協会の佐藤和衛さんは話してくれた。

のんびり、のどかに、田舎を楽しむ

この日、中田が伺ったのは朝。だからまだ観光客はまばらだったけれども、そこかしこで団子を作っていたり、まんじゅうを揚げていたり、人の生活があった。ぶらぶらと大内宿を歩き、ふらっと店に立ち寄ってまんじゅうを食べる。ゆったりとした時間が流れていた。

名物の“ねぎそば”を食べる

大内宿で有名な食べ物のひとつがそば。高遠そばの名で知られている。十割そばで、はしの代わりにネギをつかってそばをすするのだ。店の奥から名物高遠そばが運ばれてくる。そばの入っている丼には、豪快にネギが一本添えられている。それを見てスタッフから「おー」とどよめきの声をあげる。と、スタッフのひとりが「でも、食べにくそう…」というと、「うん、食べにくいよ~」と笑って丼を差し出す。
そんな笑い声がいつまでも響き、のどかな時間を過ごすことができた。

ACCESS

大内宿
福島県南会津郡下郷町大内
URL http://shimogo.jp/
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