信仰を集めた修験道
武蔵御嶽神社は、東京西部・多摩地方にある御岳山の山頂に鎮座する神社だ。はじまりは紀元前とも伝わり、鎌倉時代、山岳信仰が盛んになると武士や幕府からも厚く信仰を集め、多くの修験者が修行に訪れた。1700年には五代将軍徳川綱吉の命により幣殿拝殿が造営され、現在もその姿を残している。
宝物館に収蔵される数々の宝物は、国宝、重要文化財に指定されている物もあり、ここにもまた古くより多くの信仰を集めてきたことが伺える。
歴史ある神事・祭礼
そして一年を通して行われる神事や祭礼も有名だ。1月には男鹿の肩骨を灼いてそのひび割れから作物の豊凶を占う「太占(ふとまに)祭」。5月には、「日の出祭」や「男具那社(おぐなしゃ)祭」。東京都無形民俗文化財にも指定されている「太々神楽(だいだいかぐら)」など、地域の生活に欠かすことができない行事として、人々の手により受け継がれている。
関東平野を一望できる神社
御岳山は標高929m。神社へは、御岳登山鉄道のケーブルカーで登ることができる。駅は滝本駅と山上の御岳山駅の2つのみだ。御岳山駅から神社はゆっくり歩いて25分ほど。道の脇には宿坊と土産屋が並び、そこから約330段の階段を上ると神社に到着する。神社からは、関東平野を一望することができ、東京の自然をたっぷりと感じることができる場所でもあるのだ。
武蔵御嶽神社は、大口真神(おいぬ様)が諸災除けの神としても信仰を集めるため、ペットと共に訪れる参拝者も多いという。
東京都心からも程近い場所に残る、自然に囲まれた武蔵御嶽神社。古くより伝わる年中行事や素晴らしい景色に出会うことができる場所なのだ。