創作イタリアン「WAKA Ristorante」
徳島大学の医学部や附属病院などがある事でその名が知られている蔵本町。JR徳島駅からは、電車で6分ほどの距離にある便利なエリア。大通りにに面した建物に「WAKA Ristorante」はある。東京や関西の人気イタリアンで活躍した若林和典さんが、25年程前に奥さまの故郷・徳島に移り住み、オーナーシェフとして、界隈で圧倒的な人気を誇ったトラットリア「カーサ マリーノ」が前身のイタリア料理店だ。2017年に、より高級なリストランテにして、こだわりを持った店づくりをしたいと、店名もお店の場所もリニューアルし「WAKA Ristorante」となった。完全予約制のおまかせコースが人気で、その評判は県外の食通にもよく知られている。徳島に来る度に訪れるファンも多いのだとか。「独自の創作イタリアンが楽しめる」と中田も推す一軒である。
コースに用いる食材は、地元・徳島の新鮮な食材や、全国から取り寄せる最高のものばかり。
たとえばスペシャリテ「徳島由岐産の天然伊勢海老のタリオリーニ」の主役は、徳島県由岐産の天然伊勢海老。捌きたての活伊勢海老をトマトと共に煮込んだ贅沢なソースは濃厚で香り高く、その旨みが絡んだタリオリーニは生パスタならではのもっちりした食感がたまらない。徳島県産の食材といえば、こうした海の幸が有名だが、若林シェフによれば野菜も極上のものが採れるのだそう。「たとえば阿波市でアグリベスト社が栽培している先の尖った高級フルーツトマト『ルネサンス』は、種が少なくて糖度が高い逸品。神山産の『極椎茸』も旨みが強くて美味しいんですよ」(若林)。
高級感漂いつつアットホームなイタリアン
またメインの定番「阿波牛のシャトーブリアンのステーキ」は、A5ランクのメスのきめ細かな脂が特長。阿波牛は徳島県の水に恵まれた場所で育てられるため、脂のきめが細かな肉質に仕上がるという。若林シェフが料理を作る上で大切にしているのは、こうした厳選食材の鮮度を生かし、旨味を引き出すこと。コースの中には、素材を前面に出すだけでなく、時には出汁として生かした料理も登場する。徳島の美味しいものを知り尽くしているからこそ、自身の料理へ、そのポテンシャルを存分に活かすことが出来るのだろう。
若林シェフは料理だけでなく空間にもこだわりを貫いている。オープンキッチンにすることで、お客様が見える距離を大切にし、玄関の扉やテーブルには自分の山から切り出してきた欅や桜の木をあしらい、訪れる人々を上質な木のぬくもりで迎えてくれる。また器やカトラリーにも徳島産を選び、大谷焼のお皿が料理の美しさをさらに引き立てている。高級感漂う料理でありながら、どこかほっとできるアットホームさが、また来たいと思わせてくれる秘訣なのかもしれない。徳島に行く際は、ぜひ予約して訪れてみてほしい。