江戸時代の武家屋敷通り
現在、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「武家町角館」。江戸時代初期の1620年に芦名氏が大規模な都市整備を実施した際に城下町を180度移転している。のちには佐竹北家の城下町として栄え、現在の保存地区は、その武家町のほぼ中央、上級、中級武士たちの住んだ町並みだ。
現在、公開している武家屋敷は6軒。建て替えたり、お屋敷がずらりと並んだ町並みは、当時に一気にタイムスリップしてしまう。しだれ桜などもあり、多くの観光客が訪れる。
雪国、武家特有の作りの武家屋敷
案内してもらい、武家屋敷を見学する。まず目に入るのは茅葺きの屋根。雪国らしく、武家屋敷は茅葺き屋根で作られている。瓦の屋根では雪に耐えられない。そのため鬼瓦があるところにあるのは”鬼板”というもの。木で作られたものがしつらえてあった。
また特徴的なのが、複雑な家の作り。たしかに、入口からすでに入り組んだ作りをしている。これは敵が攻めてきたときに、どっと一気に入り込まれないためだということだ。たしかに、シンプルな作りでは、大人数でばっさり。この作りならば、そうそう簡単には入り込めない。なるほどなと思ってしてしまう。
武家屋敷の庭にはかしわの木
また、必ず庭があるのも特徴。お武家さんの家なのだから庭ぐらいあって当然だろうと思うかもしれないが、実はそう簡単ではない。庭がある理由は、座敷に上がれない人が話を聞くためだという。そのため、庭の正面は必ず座敷という作りになっているのだ。ここでもやはりうなずいてしまう。
最初にしだれ桜の話をしたが、屋敷の庭にはかしわの木が植えてあるところもある。家を繁栄させる大事な木なのだという。そのほか、もみの木などの大木もあり、武家屋敷通りに木立ができあがる。どっしりとした日本の武家屋敷。緑がまぶしい木立。どこを見るともなくふらりと散歩していると、江戸時代の空気がすっと飛び込んでくる。