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製塩に適した環境
沖縄に続いて製塩所に訪れてみた。珊瑚が自生するほど美しい天草の海は、塩づくりに適している。「天草塩の会」は天草町大江にある須賀無田海岸で、手づくりにこだわった塩作りをおこなっている。施設や小屋、全てが手づくりの製塩所では、波打ち際に設置されたポンプが海水を汲み上げると、海水は高さ5メートルのやぐらの上から黒いネットを伝わり水盤に落ちる途中、太陽や風の力によって水分を飛ばされ濃度を上げていく。この工程を何度も繰り返し、約1週間をかけて塩分を3%から12%まで濃縮された塩は、ミネラルをゆっくりと結晶化させるため粒も大きい。夏場は結晶ハウスの中で約10日、冬場は2カ月かけて塩になるが、天気や手のかけようで塩の出来具合が変わるから面白い。