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合鴨農法を取り入れる
家族で完全無農薬有機農業を行っている古野農場の古野隆雄さんは、2000年にスイスのシュワブ財団によって「世界で最も傑出した社会起業家」のひとりに選出された人物。どんな方なのだろうと思い、福岡に行った際、訪れてみた。
古野さんは九州大学で農政経済学の学士を取得したのち、家業の農家を継ぎ、早くから有機農法による野菜・米づくりを手がけている。最初は無農薬で野菜・米を生産していたが、手作業による雑草取りに苦戦を強いられ困っていたときに合鴨農法と出会い、採用した。カモが雑草や外注を食べ、その糞が栄養となる。夢のようなサイクルが出来上がったが、今度はカモを狙う野犬との戦いが起きてしまった。
国内外に合鴨農法の技術を伝える
水田の周りに柵を設置、網掛けなど、試行錯誤を繰り返すもののなかなかうまくいかず、困り果てていたところに、今度は電気柵の方法を思いついた。試してみるとその効果は抜群で、これによって「アイガモ水稲同時作」を軌道に乗せていった。
今でこそ、有機農法・合鴨農法を採用する農家も多いが、古野さんは、その技術を作って行った先駆者の一人。現在では、全国でアイガモ農法の普及活動をしているほか、アジア各地にも赴き、この技術を現地の人に伝えている。