国立公園に位置する安比八幡平の御宿
「安比八幡平(あっぴはちまんたい)は、冬は雪が降り積もり、雪解けの春先には青空と岩手山の残雪、芽吹く花。夏は緑が青々とそよぎ、紅葉の時季は山が紅く萌える。日本の四季を余すことなく体感できます」(四季館 彩冬 斉藤健さん)
岩手県八幡平市は盛岡駅から車で北へ約1時間。青森、秋田、岩手の3県に広がる十和田八幡平国立公園にも指定され、夏には高層湿原に数々の植物が彩り、雪深い冬には日本有数のスキーリゾートとしても知られる安比八幡平。
この自然の豊かな場所で客人を迎える「四季館 彩冬」は1999年に開業、2010年にリニューアルオープンした。洗練された日本建築にゆったりとした時間が流れる御宿だ。
美肌「だんぶりの湯」の安らぎ
御宿に到着してまず向かうのは温泉だろう。泉質は、ナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩泉。弱アルカリ性のお湯は湯触りがよく、重蔵成分がお肌の古い角質をやわらかくする。炭酸成分が肌から浸透し血流を良くして全身がほっかほかに。美肌の泉というのも頷ける、正しく安らぎの湯だ。
大浴場は内湯と露天があり貸切露天風呂も予約することができる。露天風呂には珍しい信楽焼の湯船や、寝るように体を横たえて入浴する寝湯があり、温泉に身を委ねてじんわりと温まることができる。
味わい深い料理も楽しめる「四季館 彩冬」
四季館 彩冬は“食の宿”としても人気が高い。岩手が誇る前沢牛は1頭から少量しか取ることのできない部位を仕入れる。素材をシンプルにいただくこと、またその瞬間に一番美味しい料理に仕上げるよう心がけているという。
「食材の美味しさを最大限に生かすため手を加える料理、あまり手を加えない料理のバランスを大事にしています」(四季館 彩冬 斉藤健さん)
この旅を、“特別な日”に
料理長峯崎さんはマクロビオティックの知識・技術を持つため、アレルギーへの配慮など食事の相談にのってくれることも嬉しい。夜は贅沢に、朝のブッフェは滋味深い料理を味わう。夏には自家栽培した野菜も使用し、岩手の食材が持つ彩り、香り、旨みを提供するために一つ一つ手間ひまをかけて仕上げているのだ。
美しい自然に囲まれた御宿で日々の喧騒から離れて過ごし、美味しい料理に出会う。身も心も満足して“特別な日”になるように。スタッフの想いと細やかな接客がこのおもてなしを支えている。