大きい!甘い!偶然生まれた新品種キウイ
キウイフルーツが1個1000円といったら驚くだろうか。普通スーパーで売られているキウイは大体100円ぐらいだから、驚くのも無理はない。しかし、実際に1個1000円のキウイフルーツが存在する。それが、今回お邪魔した島田さんの農場で作られている「キウイバード」。
見た目からして、普通のキウイとはまったく違う。一般に売られているヘイワードという品種とくらべると大きさは約1.5倍あり、甘みも格段に強い。
「キウイバード」はキウイフルーツのなかの香緑という品種である。この品種は香川県の試験農場で偶発実生によって生まれ、昭和62年に品種登録されたもの。偶発実生とは、偶然できてしまった実のことだ。
つまり、品種改良のために雄株と雌株を選定して交雑したのではなく、気がついたら新しい品種ができていたという感じ。じつは、二十世紀梨や紅玉も偶発実生によって生まれた品種なのである。
1本1本の木にカルテを作り大切に育てられるキウイ
香緑は糖度が14-15度もある。ヘイワードが11度ぐらいだから、それだけでも相当甘いことが分かる。しかし島田さんはさらに糖度を高めようと、昼も夜も畑にへばりついて研究を進めた。その結果、糖度18度という飛び抜けた甘さをもつ香緑の栽培に成功。それが「キウイバード」である。
じわじわと人気が出て、いまではブランドもののキウイとして、おつかいものには欠かせない存在になっている。この品質を保つには、想像以上の手間暇がかかる。島田さんは樹の1本1本に「カルテ」をつくって丁寧に栽培し、徹底した品質管理をおこなっている。
さらにはお客様の手に届くときに最高の状態を保つため、流通から販売までのすべてを一貫しておこなうというこだわりよう。
1度食べたらあまりの美味しさにリピーターになる人も多いという、とろける甘さのキウイフルーツ。1個1000円という値段は普段使いにはなかなかしにくいけれど、一食の価値アリだ。