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大陸伝来の技法と日本の技法を併せる香川県で漆器の製造が盛んになったのは、徳川家康の孫・松平頼重による功が大きい。松平頼重は、讃岐高松12万石の初代藩主。江戸時代前期の寛永15(1638)年に水戸徳川家から高松に入封した頼重は茶や花を愛する風流な人で、漆器や彫刻にも造詣が深く、漆器づくりを積極的に進めて名工を育てたという。 |
香川漆器を生み出す技法「蒟醤」とは、何回も漆を塗り重ねた上から文様を“ケン”と呼ばれる彫刻刀で彫り出し、その凹みを色漆で埋めて、磨き上げる技法。朱色、黄色と漆の色ごとに彫っては埋めるという作業をくり返すため、その工程はおおよそ60工程を数えるという。 |
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大胆な発想と繊細な作業単なる民芸というよりは、こうした芸術性の高い製法が、香川漆器の最大の特徴だ。そこで、その現場を見せてもらうべく、今回中田が訪れたのが大谷早人さんの工房。 工房では、中田もケンで文様を彫り出す作業に挑戦。こうした繊細で緻密な作業から、華麗な文様が生み出されるのである。 |
ACCESS
- 漆芸家 大谷早人
- 香川県高松市