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仙台堆朱とは堆朱(ついしゅ)とは漆工芸のひとつなのだが、木地に漆を塗って研ぐという一般的な漆工芸とは違う。堆朱は朱漆を数十回から数百回塗り重ねて、積層漆器を作って、それを切削琢磨して作り上げる作品なのだ。つまり、何度も何度も塗り重ねて厚みを持たせた漆を彫刻する作品なのだ。このような彫漆(ちょうしつ)といわれるものは、鎌倉から室町にかけての時代に中国から伝来したといわれている。 しかしこれらの彫漆と仙台堆朱とは少し違う。仙台堆朱は、もともとの木地に彫刻を施したものに、朱の漆を塗り、磨き上げるものなのだ。それだけに例えば彫刻によってできた溝など、細かな部分の塗りには繊細な作業が必要になる。 |
普通の職人さんがやらないようなこと南さんは、現在、唯一残る仙台堆朱の作家だ。伝統をしっかりと受け継ぎながらも、新しいこと、新しいデザインに次々とチャレンジし、2011年にはグッドデザイン賞も受賞している。 まず、工房で見せてもらったモミジの入った器が印象的だった。漆だけを重ねて塗って作った透明な器の中にモミジが浮かんでいるように見えるのだ。 漆というと固めるというイメージがあるから、想像もしたことがない姿だ。しかも「漆を扱っている人でもこういう性質はもしかしたら知らないかもしれない」と南さんは言う。その探究心が伝統に新鮮味を加えているのだろう。 |
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研ぐと現れるさまざま色『仙台堆朱は、最初にいったように細かく彫刻をほどこしたものに漆を塗るので、繊細な作業になる。さらには、それを研ぎ、磨かなくてはいけない。南さんも「研ぎの作業が一番つらい」と言う。 |
ACCESS
- 有限会社仙臺堆朱製作所
- 宮城県仙台市宮城野区榴岡1-6-21
- URL http://www.tsuishu.net/