陶器作りの根本は土にあり“丹波焼”「坏土工場」/兵庫県今田町

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丹波焼の土を一手に担う

丹波焼は、瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに、日本六古窯のひとつに数えられる焼き物。発祥は平安時代とも鎌倉時代ともいわれ、少なくとも800年以上も昔から焼き物が作られてきた地だ。
その丹波焼を支えているのが、土を作る工場、「坏土(はいど)工場」だ。焼き物において、土は命ともいえるほど重要なもの。その土の生産を一手に引き受けているのが坏土工場である。
丹波焼では、もともと窯元ごとに露天掘りで原土を採掘し、ふるいにかけ、それをさらにこして陶土にするという手順を踏んでいた。そのため陶土の精製は、それだけで陶器づくりの約半分の手間を要するという一大作業だった。
しかし、1963(昭和38)年に丹波焼組合が経営する坏土工場が稼動するようになり、大幅に手間の削減が可能に。現在では、各窯元での陶土生産はほとんどおこなわれず、この工場が丹波焼の土を担っている。
陶器といえば、すぐに思いつくのが、ろくろを回している姿や窯に入れて焼く姿だが、じつはそれと同じぐらい重要なのが、スタート地点、土を作るという作業。
この工場が、職人たちを支える重要な拠点なのだ。

ACCESS

丹波立杭陶磁器協同組合 坏土工場
兵庫県篠山市今田町上立杭5-1
URL http://www.tanbayaki.com/
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