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土づくりにはじまる備前焼の歴史は古い。その発祥は平安時代から鎌倉初期にかけてといわれており、日本を代表する中世六古窯に数えられている。歴史が古いだけあって、備前焼は無愛想ともとれるほどシンプルだ。釉薬(うわぐすり)は一切使用せず、絵付もしない。土の形を整え、ただ焼くだけ。しかし、そんな簡素な手法にもかかわらず、備前焼には奥深い魅力がある。 |
高温で長時間焼き続けるそして、窯変(ようへん)といわれる色の変化。1300℃の高温の窯で2週間も焼き続けられる備前焼は、焼成中に灰に埋もれた部分だけが黒や青、灰色になり、直接炎に当たった部分は赤褐色になる。これは陶工たちの窯詰め作業のノウハウも左右するが、偶然の要素も大きく、1つとして同じ変化にはならない。こうした段階を経て現れる模様は、神秘的ですらある。 |
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ACCESS
- 陶芸家 伊勢崎淳
- 岡山県備前市