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会津伝統の漆器今回お話を聞きに伺ったのは、漆芸家として活躍している佐藤達夫さん。福島県の喜多方市で活動している作家だ。喜多方市といえば、会津漆器の産地。会津の自然が生み出す良質の木材と、盆地特有の気候で現れるきれいな漆のつやで、長い歴史と全国的な人気を集めている。 |
若い世代に引き継ぐこと佐藤さんの作品を見せてもらう。作品はお椀などの丸物から、重箱などの作品まで幅広い。漆黒、朱、黄、緑、金、色が混ざり重なりながら、漆独特の艶と蒔絵や螺鈿での装飾が見事に一致し、独特の世界観を作り出している。これまで数々の賞を受け、人気と実力を裏付けているのだ。ただしお話を聞いていると、作品としての漆器よりも、漆器それ自体への暖かい眼差しが感じられた。 「もちろん制作も、まだまだ頑張っていこうと思っていますが、これまでの経験を振り返って、今の自分にどんな役割があるだろうなって考えると、若い人に伝えることじゃないかなと思っています」 |
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暮らしのなかに漆器を「作家活動も大事にしていますが、もともとはお碗屋なんです。それはやっぱり自分のなかに強くあります。だから日常の生活に漆器がなくなっていくのが、すごく寂しく感じるんです」佐藤さんがそう言うと、中田はこれまでの旅を思い出しながら「たしかに。漆器っていうと、高級なものを思い浮かべがちですよね。でも、こうしていろいろな方のお話を聞いていると、本来は日常のもの。ちょっとかけても少しの修理でなおせるんですよね。金継ぎだってできる。そういうことを知れば使いたいと思う人も増えると思う」と言った。 |
ACCESS
- マルサ漆器製造所
- 福島県喜多方市字天満前8851-2
- URL https://www.marusa8851.com/