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“西の陣”で作られる西陣織
「服部織物」は200年以上も続く、西陣織の老舗。西陣織という名前の由来は、文字通り「西の陣」で作られた織物ということ。室町時代に起きた応仁の乱は東軍と西軍にわかれ、京都を二分して戦われた。
その西軍が陣を張っていたところが乱の後に「西陣」という地名で呼ばれるようになり、その「西陣」で織られた織物だから「西陣織」という名前がついたという。
西陣織というと、きらびやかな着物を想像するかもしれないが、意外にも作られるものは、かすり模様や縞模様など、シンプルなものが多い。きらびやかなイメージは、多分、帯からくるものだろう。
彩り豊かな帯
服部織物が得意とするのは、その優雅できらびやかな帯。現在では「正倉院華文」という日本伝統の模様はもちろん、「ロココ王朝文様」というフランス宮廷を彩ったロココ美術の模様まで、さまざまな意匠をこらした帯をつくっている。
手織りで緻密な文様が織り込まれた帯は、まるで芸術作品を見るようで、身につけるというよりはずっと眺めていたい気分だ。これぞ、日本が誇る手仕事だろう。