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たちまち人気を博した着物“友禅”
「千總(ちそう)」が創業されたのは、いまから450年以上も前の1555年。創業された1555年といえば、現在千總が手がける友禅の染色技術が開発される以前のこと。
友禅の染色技術が開発されたのは、江戸中期に入ってからで、驚くほどの色数と多様な文様で着物を染め上げるこの手法は、たちまち人気を博したという。
それ以降、千切屋惣左衛門家という名で営業をしていた千總でもその技術を取り入れ、、人気ブランドとしての地位を確立していった。
実用性と芸術性で着物を海外に広める
ただし、話はそこで終わらない。明治に入り、独自に技術開発をすすめ、鴨川染めという、型友禅の染色技術を開発。
大量生産とコストダウンを実現し、それまでよりも広く友禅の美しさを広めることに成功したのだ。千總では、さらに岸竹堂や今尾景年など、当時の日本画家の巨匠に染めの下絵をかいてもらい、芸術性の高い友禅の着物を製作。芸術家とのコラボレーションで着物を作るというのは、現在まで受け継がれ、毎年芸術作品とも呼べる着物を作り出している。
また、パリ博覧会に出展するなど世界への進出も果たしており、友禅という文化を世界中に広めている。
それは、たんに「日本伝統の文化」としてだけでなく、ビロード地に友禅の染めを施したもの、洋装に友禅染めを取り入れたものなど、海外の人にとって身近な形で紹介することにも挑戦している。
創業450年という伝統と誇り+革新的で、新たな可能性を見出す挑戦。古きよきものともに、未来を見据える目がここにある。
自然の色を織り込む着物 染織家·志村ふくみさん/京都府京都市 – NIHONMONO
自然の色をより美しく出す着物 大島紬や米沢紬などで有名な、「紬織り」の優れた技術により、国の重要無形文化財保持
職人の技が光る手描き友禅「染工房 高橋徳」/京都府京都市 – NIHONMONO
「技」と「勘」が必要な仕事 明治32年の創業以来、染め工房の「高橋徳」が続けてきたのは「手描友禅染」。読んで字