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名水の名を受け継ぐ料亭
京都東山の麓、祇園からも程近い少し奥まった丘に位置する、料亭「菊乃井本店」。「菊乃井」の名は、ご主人である 村田吉弘氏の祖先が北政所の茶坊主(接客や給仕を行う)として仕えていた時代に、茶の湯に用いる為に大事にお守りしていた「菊水の井」という井戸の名がその由来とされている。
臨済宗高台寺に隣接し、ゆったりとした敷地と和風建築の佇まいは、凛として優雅な空間。店先の石畳は打ち水され、到着した瞬間から「もてなしの美学」が遺憾なく発揮される。
懐石料理は、料理を引き立てる細部にまでこだわった器の演出と、四季の移ろいを表現する味が折り重なる逸品。もてなしの心が込められた料理は、見た目にも華やかだ。「侘び寂び」という美意識があるが、「菊乃井」の場合は「きれい寂び」を心情とし、「美味しさと美しさ」を追求していることが表れている。
会の趣向にあわせて食事を楽しみ、店内の設えや、生けられた花草を楽しむ。「菊乃井」で使用している地下水は、「菊水の井」に沸いていた水と同質だという。北政所が大切にした名水の流れは、料亭「菊乃井」の味に変化し受け継がれている。
進化を続ける懐石料理 「京都 嵐山吉兆」/京都府京都市 – NIHONMONO
おもてなしの心を料理に込めて 「吉兆」の店名は大阪の新町にお店を出した際に町絵師の須磨対水氏がその名を考案したといわれている。浪速・今宮神社の十日戎の日には「き…