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漆の美しさを詰め込んだ箸「若狭塗箸」
江戸時代の初期に考案された「若狭塗箸」は、そのきらびやかな美しさから、公家や武家、裕福な商人などに愛でられたお箸。貝殻や卵殻を箸に埋め込み、金箔をちりばめて模様を作る。その上に漆を幾重にも塗り、石や墨で研ぐという作業を重ねてできあがる逸品だ。漆を塗った上から模様を施す蒔絵とは違い、先に模様を作ってから漆を重ねることで、年月を経ても美しいまま保たれるため、美術品としても価値が高い。
福井県小浜市は、塗箸の生産日本一の町。年間生産量は約1億膳といわれ、全国シェアは80%を超える。しかし、そんな小浜でも、現在では伝統的な「若狭塗箸」を生産できる職人は非常に少なくなり、数件の工房を残すのみだという。

完成までに約4か月の希少な箸
今回お話を伺った古井正弘さんは、その職人のなかでも数少ない伝統工芸士認定を受けている職人さん。若狭塗箸の第一人者といわれる俵田光蔵氏に弟子入りし、以来50年もの間、箸を作り続けている。
箸が完成するまでには、約4ヶ月という長い時間がかかる。一度に作るのが100膳から300膳なので、ひと月に生産できるのは2000膳程度。それほど希少価値が高い箸である。
上品できらびやかな若狭塗箸は、食卓に華を添えるのにもぴったり。料理の味は、目で見て感じるものでもある。普段の食卓を、ちょっと豪華に演出してみてはいかがだろう。

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