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”どこまで見せるか”という技術お話を伺ったのは、漆工芸のなかでも蒔絵の分野で重要無形文化財保持者に認定されている室瀬和美さん。室瀬さんが得意とするのは「研出蒔絵」という技法。漆地の上に漆で文様を描き、固まらないうちに金銀粉や色乾漆粉などを蒔き付ける。漆が固まったあとに、再度漆を塗り、硬化させたあとに研ぎ、磨きを入れて、最初に描いた文様や金銀粉などを表に出す。つまり何層にも金と漆を重ね、そこからどこまで研ぎ上げるかということが大切になってくる。 室瀬さんはその研ぎの工程で図柄に立体感をもたせた作品を作りだす。 |
表現の幅広さが日本の特徴中田がこの旅の趣旨を室瀬さんに説明し「日本は伝統工芸と呼ばれるジャンルで腕を振るう人も、アートで頑張っている人もたくさんいる。だから自然と訪問する先も増えてしまうんです」と話すと、「それが日本の特徴」と室瀬さんは言う。 また、室瀬さんは過去の技法の研究や文化財の修復も行なっている。なかには、現在には伝わっていない技術が修理の過程で発見されることも多い。なぜ文化財の研究を始めたのかと聞くと、学生時代の恩師に勧められたからだという。 |
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漆器でご飯をいただく「わんっていう言葉があるでしょ」と室瀬さんが言う。 |
ACCESS
- 漆芸家 室瀬和美
- 東京都新宿区
- URL https://twitter.com/kazumimurose