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世界遺産の里に伝わる民謡
1995年、岐阜県の白川村とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界遺産に登録された五箇山。豪雪地帯であるこの地では、雪の重みによって家が倒壊してしまわないように、合掌造りの家が建てられた。その姿は、山と緑に囲まれた牧歌的な景色とあいまって、日本の原風景を思わせる姿を見せてくれる。
五箇山は民謡の宝庫でもある。日本最古の民謡として有名な「こきりこ節」や「麦や節」などなど…。
じつは、その真偽は定かではないが、五箇山は木曾(源)義仲に敗れた平家の落人が逃げのび、隠れ住んだ里だとも言われている。それをあらわすかのように「麦や節」の歌詞は、
「烏帽子狩衣脱ぎうちすてて」
「心淋しや落ち行く道は」
などと、戦に負けて都から逃げていく平家一門のようすが歌われている。
息づく伝統
もうひとつ、「まいまい」という踊りがあるのだが、これは若い男女が祭りのときに集まり、交互に並び手をつないで踊るというもの。つまり日本最古のフォークダンスだ。このときに手をつないだ相手と結ばれることも少なくなかったとか…。
独自の文化が形成された五箇山。合掌造りのように目に見えるもの、そして民謡のように目には見えないもの、その両方の伝統が息づいている場所なのである。
しっとりと優雅なお祭り「おわら風の盆」/富山県富山市 – NIHONMONO
伝統の祭り「おわら風の盆」 毎年9月1日から3日の3日間にかけて行われる、富山市八尾町の伝統的な祭り「おわら風