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「明鏡止水」を体現する
大澤家で酒造りが始まったのは、いまから330年ほど前の1689年のこと。以来、豊富な米、良質の水に恵まれた茂田井という町で、酒を造り続けてきた。
この酒蔵の酒は、名を「明鏡止水」という。くもりのない鏡、静かにとどまっている水。そこから、邪念がなく、澄んだ心境のことを、明鏡止水というようになった。この酒はまさにそれだ。クセがなく、口の中に自然と溶け込みながらも、なぜか居住まいを正されてしまう感じ。
この地は四季の移り変わりがはっきりとしている。春には春の、冬には冬の景色が広がる。「明鏡止水」にも、春には春の、冬には冬の味わいがある。酒は、自然が与えてくれる恵みに、人の手が加わることでできあがる。旨い米、良質な水、寒い冬、そして蔵人のこだわりがあってはじめて、澄んだ酒ができるのだろう。