本州最北端で生まれた下北ワイン
青森県下北半島から誕生した極上のワインが下北ワイン。赤ワインはやわらかな酸味でほどよい重さが、白ワインは香り高いフルーティーな味わいが人気を呼んでいる。その下北ワインを作っているのがサンマモルワイナリーだ。
サンマモルワイナリーの下北ワインが使うぶどうは下北で育ったもの。ワイナリーから2キロほど離れたところにあるエムケイヴィンヤード(MK Vineyard)で栽培されたものなのだ。100%国産のワインが下北ワインなのである。
下北で作られたぶどうを使う下北ワイン
世界各地でワイン用のぶどうが栽培されているのは、北緯30~50度のところが多い。一般的にワインベルトと呼ばれるこの緯度に、緯度41度の下北はぴったりとはまる。フランスやドイツと違い日本は雨の多い国。しかし下北は梅雨もあまりなく、日本の中ではワイン栽培に最適の地といっていいところだった。しかし最大の敵は雪。その対策も含め、1996年よりワイン用ぶどう栽培の権威である志村富男博士と試行錯誤を繰り返した。
そして10年のときを経て2006年、エムケイヴィンヤードで栽培されたぶどうが下北ワインとなり、努力が成就した。それ以降も試行錯誤はもちろん続いてきた。健康な土づくりにこだわり、収量を制限しながら減農薬で栽培したぶどうをさらに厳選し、安全で安心なぶどうで下北ワインを造り出している。
ピノノワールが作り出す色と味
サンマモルワイナリーで有名なのは、ピノノワールのワイン。ピノノワールというぶどうはフランスブルゴーニュ地方のワイン用ぶどう品種のひとつで、美しいルビーの色をした赤ワインを生み出す。ピノノワールのぶどう畑を見学させていただいたあとワイナリーで試飲をさせてもらう。まず中田の目が行ったのがピノノワールが描き出すワインの「色」だった。向こうが透けないほどに強い色が出る。「北の地のピノノワールではこれほどの色はあまりでないんです。粘土質の土がかえってよくて、この色が出ているのではないかと思っています」と社長は言う。口にするとほどよいさわやかな酸味が口に広がる。ピノノワールの赤ワインは発売するとすぐに売り切れてしまうというほど人気だそう。生産者の情熱が作り出した100%純国産のワインが下北ワインなのだ。