人々の縁を結ぶ「神議」が行われる出雲大社
神々の国、出雲の神社シリーズの最後は、いわずと知れた出雲大社。
スサノオノミコトの子で、国譲りの逸話で有名な大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る出雲大社は、神の国・出雲の中心的存在だ。なんといっても、神無月には全国から八百万の神々が集まり、人々の縁を結ぶ「神議(かみはかり)」がおこなわれる社なのである。それゆえ、出雲では旧暦10月を「神在月 (かみありづき)」と呼ぶ。
こちらの神様は、七福神の「だいこくさま」にあたる。神無月の「神議」でも分かるとおり、縁結びで有名な神様だ。男女の縁は言うにおよばず、さまざまな人と人、人と物、あらゆるつながりを結んでくれるという。
この神議は、毎年旧暦10月11日~17日にかけておこなわれ、内3日間は「神在祭」が催される。(開催日は、毎年変わるため、出雲大社サイトにてご確認ください。)
なかでも目玉は、12月1日におこなわれる「縁結大祭」。参列するには申し込みと「縁結び祈念料」が必要だが、霊験あらたかな出雲大社の「むすびの御力」に期待したい人はぜひ。
出雲の壮大な神話の世界に惹きこまれる
さて、出雲大社の見どころは、日本最古にして最大の神社建築といわれる、高さ24mもある国宝の本殿。その大きさはまさに圧巻で、感動すら覚える。中古には東大寺の大仏殿を超える48mもあったと伝えられており、その建造は謎に満ちている。また、ここに鎮座している大国主命は正面ではなく横を向いており、それも謎のひとつ。
残念ながら本殿内部は、普段は一般公開されていないので見ることはできない。一般公開されるのは、60年に一度の遷宮のときにご神体が仮殿に移されるときのみなのだ。直近では2008年がこれにあたり、本殿の修造は2013年に終了した。古代のロマンを感じる出雲大社。壮大な神話の世界に思わず惹きこまれる、スケールの大きな神社だ。