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秀衡椀と秀衡塗りは違う?岩手県の漆器というと「秀衡塗り」が有名だ。名前のとおり藤原の秀衡の時代に作られたといわれ、この地方の漆と金をふんだんに使った漆器で平泉の黄金文化を象徴するもののひとつでもある。 |
家業の漆器作りを継ぐ及川さんが生まれたのは岩手県の増沢地区というところ。古くから木工が盛んで、明治に入り産業としての漆器増沢塗が確立された。実は古くから秀衡椀を作り続けてきた地域でもあったと考えられており、民藝運動でも有名な柳宗悦らによって秀衡椀の調査がなされた。当時、増沢塗は日常の器として無地が基本だったが、その一方で、秀衡椀の特徴である金箔や文様を取り入れて「秀衡塗り」を復元したという経緯があるのだ。 |
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漆は高級品でなく生活のものスタッフのひとりが「漆はやっぱり高級品という感じがする」というと、「そう考えられちゃうと困るんです…」と及川さん。及川さんも現在では、秀衡塗作りではなく増沢塗を作ることにしているのだという。つまりより実用としての漆器づくりに戻ったということ。 生活日用品として漆器を取り入れる。漆は何回でも修理がきくものなので、ときには売ってから10年、20年たってから修理に帰ってくる漆器もいるという。それはつまり「使い続けてくれている」ということの証だ。 |
ACCESS
- 及川漆工房 及川守男
- 岩手県奥州市胆沢若柳字明神下18-1