![]() |
「うまくなりたければ浄法寺に行け」漆器というとすぐに思い浮かぶのが輪島塗や会津塗といった「製品」だが、そのもとである漆の国内生産量日本一であるのが岩手県。なかでも二戸市浄法寺(じょうぼうじ)が産地として有名だ。その浄法寺で自ら漆を採取し、漆器を制作している、漆掻き職人兼塗師である鈴木健司さんのもとを訪ねた。 もともとおじいさん、お父さんが漆器の塗師をしていたという家に生まれた鈴木さん。自分も漆の仕事を始めたが、そのときに思ったことが「こだわったものを作りたい」ということだった。 |
漆を掻くことで変わったこと鈴木さんは二戸市が運営する滴生舎という工房で5年ほど働き現在は独立をしたが、制作した漆器はいまでも滴生舎で販売をしている。だが、はじめにも言ったように、鈴木さんは漆の掻き手でもあるのだ。 |
![]() |
![]() |
漆の木からこだわる中田も以前、この浄法寺で漆掻きに挑戦したことがあった。そのときのことを思い出して、漆掻きを行う人が違えば漆の量も質も違うことに驚いたと話すと、鈴木さんは「やっぱり難しいですよ」と返す。木によってそれぞれ取れる漆が違うのだという。育て方によっても違う。それを見極めながら一本一本の木と向き合う。そうやって漆の木からこだわることで、製作の嬉しさが倍増するのだという。 浄法寺の漆器は会津塗や輪島塗などと比べると、どちらかというとシンプルなものが多い。「漆の加工技術は向こうの方が上」と鈴木さんはいうが「浄法寺はその分シンプルな塗り重ねが発達した」そうだ。 |
ACCESS
- 漆掻き職人・塗師 鈴木健司
- 岩手県二戸市浄法寺町樋田18-16
- URL https://kenji-urushi.com/