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“型絵染”を確立し発展させた芹沢銈介は、明治28年・1895年に静岡県に生まれ、東京高等工業学校 (現・東京工業大学) の図案科を卒業。その後、人生の師となる柳宗悦氏や沖縄の伝統的な型染である紅型 (びんがた) に大きな影響をうけ、自身も渋紙を彫った型紙ともち米を主原料とする防染糊を用いて布や紙を染める、“染色” の道に進むことになる。 そして1957年に重要無形文化財保持者 (人間国宝) に認定を受ける際、芹沢氏の持つ技術を表すために、「型絵染 (かたえぞめ)」 という名称が案出されたという。まさに 「型絵染」 という分野を確立し、発展させた作家なのだ。 |
膨大な作品とコレクション東北福祉大学 国見キャンパス2号館の中にある芹沢銈介美術工芸館は、1階、5階、6階の3フロア、6つの展示室からなる美術館だ。1984年に芹沢氏が他界してから5年後の1989年に開館した。 そして、もうひとつの大きな特徴は、芹沢氏が蒐集した諸民族の工芸品が収蔵・展示されていること。中国、東南アジア、アフリカ、中南米、北米、世界中から集められたコレクションは、芹沢氏の審美眼によって新たな価値を見出され 「もうひとつの創造」 と呼ばれている。 |
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東北と芹沢銈介芹沢氏と東北の関わりは深い。柳宗悦氏の唱えた 「民藝運動」 に賛同し、その中心的なメンバーとして活動した芹沢氏は、日本人の暮らしの中にある手工芸品、美術的な評価を受けていない物の素晴らしさを再評価することにも力を注いだ。現在、我々が耳にする“民芸品”といった言葉はこの活動から生まれた言葉なのだ。 芹沢銈介美術工芸館の作品は、数十年の時を経てもその美しさを静かに讃えていた。 「和風でありながらモダン。50年以上前の作品でも古さを感じさせない」 と中田。大学の中にある美術工芸館、是非一度訪れてみてはいかがだろう。 |
ACCESS
- 東北福祉大学芹沢 銈介美術工芸館
- 仙台市青葉区国見1-8-1東北福祉大学
- URL http://www.tfu.ac.jp/kogeikan/