小豆島唯一の酒蔵
森國酒造が開業したのは2005年、わりと最近のことである。これが当時かなりの話題を呼んだ。
なぜなら、35年ぶりに小豆島に「地酒」が復活したからだ。
島唯一の酒蔵が廃業してから四半世紀以上、小豆島には酒蔵が存在しなかった。そこに新しい酒蔵の登場とあって、島民のみならず香川県民の期待も膨らんだ。森國酒造はその期待に見事にこたえたのである。
星ヶ城山の湧水を求めて
森國酒造は、もともとは香川県内で別の名前の看板を掲げて酒造を営んでいた。その歴史は140年にも及ぶという。
それだけの歴史を捨てて、小豆島へと移転。それはなぜかといえば、答えはシンプルだ。
「もっとおいしい酒をつくりたいから」。
森國酒造は、とにかく水にこだわる酒蔵。よい水を追求していくなかで出した答えが、小豆島の星ヶ城山に湧く清廉な水だったのである。当然米にもこだわっているが、そのうまさを引き出すのはやっぱり水。それが上品でコクのある酒を生み出すのである。
人々が集う場所
さらに、「もっと森國酒造の酒の味を知ってもらいたい。もっと小豆島の味を知ってもらいたい」との思いから、カフェ&バー「フォレスト森國酒造ギャラリー」をオープンしたことも、話題を呼んだ一因。蔵の敷地内にあるこのお店は、かつて佃煮工場だった築70年の古民家を改造して作られたもので、シックでありながらカジュアル、レトロでありながらモダンという、アーティスティックな異空間をつくり出した。
小豆島の美味しい料理と地酒
1階はカフェ&バースペースで、島の特産品をいかした料理や地酒を味わえ、2階のギャラリースペースでは展示会やライブなどがおこなわれている。
いまではここを目当てに小豆島を訪れる観光客も多く、夜になればバーには地元の人も多く集まってくるとか。小豆島の外からも内からも支持を受ける森國酒造の酒。一度とっくりと味わってみて欲しい。