高崎市は日本一の“だるまの街”
高崎だるまは「豊岡だるま」とも呼ばれ、日本各地に広く親しまれている。選挙の際、当選した政治家がだるまに黒く目を入れるシーンはテレビでよく見る光景だろう。そのだるまのほとんどがこの高崎だるまで、群馬県はだるま生産シェアの大多数を占める“だるまの街”でもある。
ここ「だるまのふるさと大門屋」は、200年の歴史を持つ老舗のだるま屋だ。伝統的なだるまから、近年ではピンクや紫といった色だるまや、オーダーメイドのだるままで手がけている。2010年ワールドカップの際には、サムライブルーの必勝だるまを製作した。
工房に入ると、製作中のだるまが所狭しと、鈴なりのごとく置かれている。その合間で、職人さんが絵付けの作業を行っているのだ。
この工房では、観光で訪れる人もだるまの絵付け体験ができる。好きなだるまを選んで、願いを込めながら目と髭を描き入れ、自分オリジナルのだるまを作るのだ。中田が選んだだるまは、黄色。交通安全を祈願するという。「えー? どうやって描けばいいんだろう」と迷いつつ、お手本の素晴らしいだるまと見比べながら筆を進める中田。
とはいえ、お手本は眉毛も髭もお手本はとても立派なので、思うようには進まない。横目で師匠の筆を盗み見ながらようやく描き上げただるまには、「NAKATA」「JAPAN」と名前が入り、なかなか立派な眉毛と髭が付いていた。最後に師匠に緑の文字で「交通安全」の文字を入れていただき、完成。
200年以上も前から、人々の福を見守ってきた高崎だるま。丸々したその姿は「七転八起」。転んでも必ず起き上がるという教えを今に伝える、力強い姿でもあるのだ。