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堺でも人気の銀シャリ定食屋
もうもうとあがる湯気の向こう、わき目も振らずに釜からおひつへと、白いご飯を移す人がいる。「銀シャリ屋げこ亭」のご主人、村嶋孟さんだ。1930年生まれの御年80歳。いまでも現役で、数十キロもある米を毎日ひとりで炊いている。
店の名前が示すとおり、この食堂の主役は銀色に光り輝くご飯。その白いご飯を食べるために、遠方からわざわざ足を運ぶ人もいるという店なのだ。
厚焼き玉子や焼き魚、豚汁等豊富なメニューが揃うセルフサービススタイルのお店のなかで、目玉の銀シャリの前には、ときに行列ができる。奥の厨房からおひつが次から次へと運ばれてくるが、それでも追いつかないほどの人気である。
良質な米、銀シャリにとことんこだわる
お客さんに喜んでもらうためには、とにかく良質なものにこだわるというのが、「銀シャリ屋げこ亭」のスタイル。
1キロ440円以下の米は使ったことがないという。だから、原価率はなんと6割を超えるのだとか。
飲食店をやるなら原価率は最低3割に抑えるのが定石だから、お客さんからしてみれば驚きのコストパフォーマンスだ。
そのこだわりのご飯、口に入れると米の芳醇な甘みがパッと広がる。もちろん、香りもよい。炊き方にもこだわるから、やわらかいのに、米粒のしっかりとした食感がちゃんと伝わってくる。
45年間もの長い間愛され続けてきた銀シャリ、一食の価値は十二分にある。