神の使いが運ぶ奈良酒“春鹿”「今西清兵衛商店」/奈良県奈良市

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日本酒のはじまりの時代

大陸から日本に酒造りの技法が伝わったのは、弥生時代の中期とも言われている。その後、酒造りの技法は発展していき、平安時代には書物にも記されるほど明確な技法として確立された。しかし、その酒は厳密な意味では日本酒ではない。現在のように白米のみを使用して造られたのではなかったのだ。玄米のみでの生成や、一部に白米を使うという製法だった。
白米のみを使用した酒が造られるようになったのは鎌倉時代の終わりから室町時代の初めと言われている。奈良・興福寺の僧坊が考案した「諸白造り(もろはくづくり)」がその最初だといわれていて、奈良を指す「南都」から、「南部諸白」とも呼ばれるようになった。諸白造りで造られた酒は、それまでの酒の質をはるかに上回り、徳川家康が「奈良酒をもって最上となす」といったように、全国でもてはやされた。

職人達の集うデコ屋敷

その南部諸白の伝統の意志を受け継ぎ、今に伝える酒蔵が今西清兵衛商店ここで醸される「春鹿」は厳選された米を高精白に磨き、まろやかな口当たりを出すのが特徴だ。華やかさのある香りと切れ味のいい旨みが人気で、アメリカやイギリスなどの欧米諸国にも評価され、世界十数カ国で飲まれているという。
「春鹿」の名前は、春日の神々が鹿に乗って奈良の地へやってきた伝説からとったという。奈良の街で確立された日本酒技法の伝統の意志を受け継ぎ、奈良の街から全国へ、そして世界へ日本酒を届けている。
なお、蔵では鹿をあしらったオリジナルグラスを400円で購入すると、おすすめの5種類のきき酒ができる。

ACCESS

株式会社今西清兵衛商店
奈良県奈良市福智院町24-1
URL http://www.harushika.com/
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