250年の歴史を持つ味噌・醤油醸造所
創業1755年、現当主で12代目を数える老舗。創業以来、250年以上醤油、味噌の醸造を続けてきた。若喜商店の看板商品ともいえる「若喜天然醸造醤油」は、地元会津の良質な大豆をよりすぐられて醸造された逸品だ。こちらも看板商品となっている「若喜手作り蔵味噌」も会津大豆を使った商品。地元産の素材でじっくりと丁寧に作り上げ、地元に根付いた味を作り出している。250年という歴史を持つ、その店構えにも歴史が漂う。
建物の古き良き面影
現在、店舗として使用されている建物は、1931年に洋風食料品店として建てられたもので、天井は漆喰で塗られており、古き良き面影を残している。また、店舗の奥にはレンガ蔵がある。こちらは1904年に建てられた三階建ての道具蔵、と二階建ての座敷蔵。この座敷蔵は材木が全て柿の木(しま柿)で造られている。大切なお客様を迎える客間として今では材料が揃わないといわれている貴重な客間。店舗と併せて国の登録有形文化財にしていされている。どちらも積み上げられたレンガが明治時代の雰囲気をそのまま伝えていて、圧巻だ。
懐かしさの漂う昭和館
もうひとつ懐かしさを感じさせるのが、店に連なる駄菓子と雑貨を扱う「若喜.昭和館」。醤油工場のムロが入った建屋を、なつかしい駄菓子と和雑貨の店に変えたものだという。中に入ると、いきなりレトロな雰囲気。いやがおうにも懐かしさが身にしみてくる。お話をしてくれた店主の冠木紳一郎さんの後ろに掲げられていたのが、かつて若喜商店に掲げられていたという木の看板。当然文字は右から書かれている。(冬期間は休館する)
江戸時代から続く醸造所。明治、大正、昭和と、会津で歴史を連ねてきた。その時間をそのまま残したかのような、地元に根付いた醸造所だった。