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地元に必要とされる酒
1832年から丹後地方に蔵を開き、180年近く地元に根付いた酒造りをしているのが「ハクレイ酒造」。酒蔵の前には由良ヶ岳が鎮座する。冬になると由良ヶ岳も白く雪化粧をされ、白に包まれた山頂の姿から、ハクレイ酒造の銘酒「白嶺」の名はつけられた。
料理によく合う旨口酒の「白嶺」。酒好きをうならせる辛口の京地酒「酒呑童子」。全国の愛飲家から人気を博しているハクレイ酒造だが、大手酒造メーカーとは比べようもない製造量のなかで考えるのは「地域に必要とされる酒蔵」ということだ。
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発展を目指して
元来、酒蔵というものは地域とともにあったものだ。瓶などない時代は、とっくりなどをそのまま蔵に持ち込み、客は酒を買っていった。そんな狭い範囲に住んでいる人々がお客さんだったのだ。また、酒蔵はその収益の一部を、学校の建設など地域貢献にあてることが多かったという。地元の人々に支えられているからこそできるのだという、感謝の意味もあったのだろう。
交通の便もよくなり、現代では全国どこにでも配送ができるようになった。うまい酒を造り、食卓に提供することはもちろん、ハクレイ酒造は地元の契約農家と酒米の取り引きをして相互発展を目指している。
おいしい酒も、地元に貢献してこそ。地域に根ざした酒がうまいのは、そうした気構えが酒にあらわれるからだろうか。
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NIHONMONO – 「にほん」の「ほんも…
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国境を越えて生まれた日本酒「木下酒造」/京都府京丹後市 – NIHONMONO
オックスフォード大学出身の木下酒造の杜氏 創業1842年、170年ほどの歴史を持つ「木下酒造」。すべてが手作り
NIHONMONO – 「にほん」の「ほんも…
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赤レンガの蔵で作るこだわりの日本酒「松本酒造株式会社」/京都府京都市 – NIHONMONO
伏見の地に息づく酒造り 松本酒造のある京都の伏見は、兵庫の灘などとならび、全国に名の知れた酒どころ。とくに幕末