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金属を塗って色を出す陶芸家小山耕一さんの作品の特徴のひとつが、金属を塗布して色と質感を出すというもの。線彫りをした部分を紋様ごと区画にわけてマスキングをして部分ごとに塗料をつけていく。この技術でしっとりとした光沢やあざやかな青色、何とピンク色までをも表現してしまうのだ。 |
知りたい事はまだまだあるこの色の表現を可能にしたのが、科学技術だったのだ。小山さんの作品も科学が大いにかかわっている。小山さんがこういった作品を作り始めた発想のものとは「陶器にメッキはできないものか」というところから。大胆な発想だ。試行錯誤を繰り返し、元素表に乗っていて手にできる金属をいろいろ試したと言う。そうして、チタンで青を発色することができることを知り、ビスマスという金属でピンクが出ることも知ったのだ。焼成温度によっても色は変わってくるという。 |
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常に新たな挑戦を金属を塗って色出すというこの作風への挑戦が始まったのは15年前。「それまではカルチャースクールの先生に専念していました」と話す。小山さんの作品は“伝統工芸”だ。しかし、小山さんは「便利なものはどんどん使っていきたい」と言う。 挑戦は新たな伝統を生む。これまでの歴史が証明してきたことだ。小山さんの挑戦は、伝統を覆そうと挑みかかるのではなく、伝統を取り入れて新たな形に変化させていく。わたしたちが今日享受している伝統や文化というものは、常にそうした挑戦から生み出されたものなのに他ならないのだろう。 |
ACCESS
- 東京竜泉窯陶芸教室
- 東京都台東区竜泉1-31-7
- URL http://www.ryusen.jp/