ドラえもんの生みの親
知らない人はいないといっても過言ではないほど、超超超国民的漫画「ドラえもん」。もはや海外でも、知っている人も多いのではないだろうか。そのドラえもんの生みの親、藤子・F・不二雄さんの歩んできた歴史と作品を展示しているのが今回訪れた、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムだ。 藤子・F・不二雄さんは、『ドラえもん』や『パーマン』など、名作漫画を生み出した児童漫画の第一人者。長年川崎市多摩区に住み、多くの作品を発表してきた。 そして、藤子・F・不二雄さん妻である正子夫人が「藤本(藤子さんの本名)の作品を応援してくれたファンたちへ恩返しをしたい」との想いから、ミュージアムの計画が生まれ、藤子・F・不二雄さんの作品世界やメッセージを、原画などを通じて、幅広い世代に伝えていく文化施設として誕生したのだ。
藤子・F・不二雄ワールドへようこそ!
ミュージアム内は、藤子・F・不二雄さんの作品世界を感じることができる。 まず目を引いたのは、藤子さんが愛用されていた机や道具を展示した「先生の部屋」。数々の作品が生まれた机のうえを見上げると、天井が高く吹き抜けになっており、この高さ約8.5メートルの書棚には藤子・F・不二雄さんの蔵書やコレクションが並べられている。「発想の源であるここでたくさんの作品が生まれ、先生の世界観を象徴している場所です」とお話を伺った。
また、映像作品を楽しむことができる施設もある。ミュージアム2階の「Fシアター」では、ここでしか観ることのできないオリジナル短編映像を上映しているのだ。 他にも館内には気になるポイントがいっぱいだ。例えばトイレの標識をよーく見てみると…何と、男性の絵はのび太、女性の絵はしずかちゃんが描かれているのだ。さらによくよく見てみると、エレベーターの標示盤にはQ太郎が乗っているし、何と芝生にはパーマンまで。いやはや、一歩踏み込めば、まさに懐かしいキャラクターたちが出迎えてくれる。
世代ごとの「ドラえもん」
展示してある藤子さんの年表を眺めながら、「僕は77年生まれ。だから、えーとこの辺かな」といって中田が指をさしたのが、映画『ドラえもん のび太の日本誕生』。
「高校生になると、なんとなく観にいかなくなってしまったんです。でも『日本誕生』は映画館で観たなあ」そう中田はいう。たしかに、誰しもドラえもんから離れる時期があったのかもしれない。しかし、その世代その世代に心に残るドラえもん作品があるのではないだろうか。 ドラえもんのアニメ映画の第一作目「のび太と恐竜」が公開されたのが1980年のこと。それ以来、長年子どもたちに愛され続けているのだ。ここ藤子・F・不二雄ミュージアムには原画や作品を通して、世代を超えて愛されるキャラクターに逢うことができる。子どもはもちろん、大人も藤子・F・不二雄さんの作品世界に浸れるミュージアムなのだ。
(注:ミュージアムの入場は事前予約が必要です。)