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山陽の要所に佇む姫路城
現在、国宝に指定されている城は4つ。長野の松本城、滋賀の彦根城、愛知の犬山城、そしてもう1つがここ兵庫の姫路城だ。城といえば戦国時代かと思いきや、姫路城の歴史は14世紀、南北朝時代にまで遡る。
1333年に護良親王の命を受けた赤松則村が、京に兵を進める途上で姫山に築いた砦が、姫路城の始まりであるらしい。
山陽道上に位置している姫路城は、室町、戦国、江戸時代を通じて、西国統治の最重要拠点として大きな役割を果たした。戦国時代には、中国攻略のために羽柴秀吉が居城し、江戸時代には姫路藩の藩庁として池田氏や本田氏など多くの譜代大名が入城した。
世界遺産にも登録された姫路城
白く塗られた壁が、白鷺の羽ばたく美しい姿にも見えることから、「白鷺城」との別名もある姫路城。その現在の姿がほぼ完成したのは、江戸幕府が開幕されてすぐのこと。関ヶ原の戦いでの功績が認められて姫路城に入城した池田輝政の大改築による。江戸時代からの天守が現存している城は、いまやたった12城しかない。
姫路城は、その後も大きな戦にまみえることもなく、当時の天主がいまに残る貴重な城のひとつである。ちなみに、第二次世界大戦では、姫路城にも焼夷弾が落とされたが、それが奇跡的に不発だったという。
現在、姫路城はユネスコ世界遺産にも登録され、国内外から多くの観光客が訪れる。江戸の姿のまま、現在の世を見下ろしている城。城好きならずとも、大きな青い空に浮かぶその美しい姿には、息をのむこと間違いないだろう。