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特別なことはしない、五味を大切にする。
愛知県名古屋市にある「萬乗醸造」。蔵元は代々「九平次」を襲名し、当代の久野九平次さんは第15代目。9代目九平次のときから日本酒の製造を始めたという。 中田が訪れた日は、久野九平次さんに日本酒の原料、酒米の酒類や麹の酒類についてもご説明いただいた。蔵では、お米を蒸すための大型の蒸篭を拝見する。地元の大工さんに注文したという特注品だ。 「うちでは、酵母は1種類しか使いません。大吟醸でも特別な酵母や貯蔵方法は行いません。大吟醸、吟醸はお米の精米度で変わります。この精米度によって酸の感じ方も変わるんですよ。特別なことをせず、お酒の五味を大切にしています。」そう話す、久野九平次さん。
「醸し人九平次」を造る。
現在の杜氏は久野九平次さんの同級生であった佐藤彰洋さん。佐藤さんは、もともとエンジニアをされていたが、九平次さんの誘いでこの世界に足を踏み入れた。代々受け継がれてきた酒造ではあるが、蔵人も20代と若いメンバーが多いのだという。
「醸し人九平次」は平成9年から発売を始めた蔵を代表するお酒。「醸し人」という言葉のように、香りも旨みも強く、個性のある銘酒だ。蔵人の感性が発揮されたお酒。是非一度試してみてはいかがだろう。