新潟県産野菜・果物の美味しさを味わう「八百屋半吾兵衛」のドレッシング

新潟県産野菜・果物の美味しさを味わう「八百屋半吾兵衛」のドレッシング

八百屋半吾兵衛のはじまりとは

新潟県のほぼ中央にあたる三条市にある「野島食品株式会社」は、江戸時代の文化8年(1811年)、糀や青果物、穀物を扱う八百屋として商売をはじめた。当時、糀を醸すこと、温度や菌の管理などを行うことは高度の技術を要した。初代の半吾兵衛が糀を用いて「賃糀(ちんこうじ)」と呼ばれる1升の米を預かり、醸して一升の糀と交換する商売を始めた事が起源と言われている。糀づくりで培った温度や菌の管理などの技術を生かし、味噌造りや漬物づくりも行うようになると、地元の特色ある野菜も扱うようになり、食べ方の難しい野菜などは直ぐに食べやすいかたちに加工して提供することなどに取り組んでさらに発展した。



培ってきた技術力を活かして

時代の変化とともに各家庭で自家製の醤油や味噌などを作らなくなると、それに代わって味噌・醤油を作り始め、漬物と合わせて売り上げのメインとなっていった。食の欧米化が進むと、味噌・醤油の売り上げは減少傾向をたどることになった。そして2011年に起きた五十嵐川(いからしがわ)の氾濫により当時の味噌蔵、醤油蔵に被害を受けたことをきっかけに味噌・醤油の製造に幕を閉じることになった。


現在の商売の中心は漬物などの加工食品

そして現在は漬物をはじめたとした、加工食品が売り上げの中心となっているが、飲食店向けの生鮮野菜の卸や、カット野菜などをスーパーに卸す仲買としての八百屋の側面も活かし続けている。

雪深いこのエリアでは冬に食べられる野菜のバリエーションがさほど多くなく、鮮度のいい野菜を塩漬けにすることで、冬の時期でも豊富な野菜を食事に取り入れられるように工夫を凝らしてきた。そもそも収穫時期が短かったり鮮度の問題などで広く世の中に出回らないような作物でも、野島食品の加工技術を通じて誰でもいつでも美味しく食べることができるようになった。


なす生産量日本一新潟。なす加工に注がれる高い技術力

創業以来培ってきたノウハウによりその日持ちの悪さで商品化が難しいとされていた「十全ナス」の商品化に成功し、平成30年には自社の畑で十全なすの栽培も始めた。


じつは新潟県はなすの生産量が日本一。漬物向けの十全ナスは一般的ななすと比べると小ぶり。巾着型をしていて皮が薄く実が詰まっていて、水分量が多くやわらかいのが特徴で別名梨なすといわれ、県民から広く愛されている。栽培から加工を手掛けられる企業は世界中を探しても野島食品だけだと言われている。

新潟の魅力を発信する新商品

こうした歴史のなかで培われてきた、八百屋として独自に持つ新鮮野菜の仕入れルートや野菜の保存技術や加工技術が、今、新しい商品となって全国展開されている。

お漬物の消費マーケットが先細りする中、野島食品の次世代を担う新商品をと、開発された「八百屋のドレッシング」シリーズだ。

新鮮な野菜を全国の消費者に届けるには、輸送時間など、どうしてもクリアできない鮮度の問題を解決しなければならなかった。ドレッシングにするという選択で日持ちを確保し、販路を拡げることを実現。またドレッシングという手軽さが、幅広い年代に受け入れてもらいやすく、より多くのファンを獲得できると勝負に出た。初代の半吾兵衛の名をとり「八百屋半吾兵衛」ブランドで全国展開を目指している。


素材そのものの味をいかしきるこだわり

ラインナップは野菜3種、くだもの3種の計6種類。雪の下で越冬し甘さが増した「雪下にんじん」、霊峰八海山の伏流水で育成された「魚沼わさび」、作付面積全国第1位の新潟自慢の味「新潟枝豆」、フランス生まれ新潟育ちの西洋梨「ル・レクチェ」、果実栽培などの農業が盛んな三条市田上町で栽培されている新潟地域ブランド梅「越の梅」、大粒で糖度が高くやさしい酸味と芳醇な香りのあるいちご「越後姫」。 こだわったのは素材そのものの特徴を活かし切ること。素材本来の味や香り、色合いを生かすために、化学調味料、合成保存料、合成着色料は一切使用せず、非加熱製法を採用。

ラインナップからもわかるように、新潟ならではの野菜や果物のおいしさを知ってもらうことにこだわっている。


新潟の美味しい野菜は県外不出

「新潟の野菜には美味しいものがたくさんあるけれど、そのほとんどを県内で消費してしまう。だから全国的に有名にはならないんです」と同社の野島優輔さんは話す。知名度が低いがゆえか、ドレッシングの販売当初は苦戦を強いられたが、大手航空会社のファーストクラス機内食で使用されると首都圏のスーパーなどからも引き合いがあり、少しずつ認知されるようになった。

米だけではない新潟の農作物の底力

そもそも新潟の地は、コシヒカリをはじめとした米どころのイメージが強く、その他の農作物は兎角隠れがちだが、収穫されるバリエーションは実はとても豊富だ。江戸時代には北前船の寄港地であったため、寒い地域の作物も、暖かい地域の作物も、東西南北からさまざまな農作物が流入していた。冬は寒く、夏は暑く、かつ豊富な雪解け水と信濃川下流の肥沃な大地を有し、天候的にも地理的にも農業技術が発達するだけの明確な理由があった。「かつては、昔から当たり前に身近にあるものの貴重さがわからなかった。地元野菜の仕入れのルートは、歴史を重ねてきた会社の強みでもある。」だから、これを機にもっと新潟県農産物の美味しさを全国の人にも手軽に味わってもらいたい、と野島さんは語る。


美味しいドレッシングをつかったレシピとは

「八百屋のドレッシング」シリーズはシンプルにサラダなどの野菜にかけるのはもちろん、肉料理や魚料理にも使える。例えば肉団子とパプリカなどの彩り野菜の素揚げにうっすら塩をふった後、甘みを引き立たせるための風味づけに「いちご」をソースにつかうのもお薦め。また白身魚のカルパッチョなどには「魚沼わさび」をかけるだけで完成。スイーツのソースとして牛乳プリンなどに添えるなど、さまざまなアイディアで多くのジャンルの料理に使える点もうけている。工夫次第で料理が一層引き立つ。またドレッシングの味が、野菜そのものの本質を特出させることもある。例えば雪下にんじんのドレッシングは、そのままで食べるよりも雑味がとれて青臭さがなくなり、甘みがぐっと際立つ。さらに、素材本来の色を生かしているから、見た目も鮮やかに食卓を彩ってくれる。

さらなる進化を目指して

そして今さらに新たな取り組みがはじまっている。「瞬間冷凍」技術を生かした商品開発だ。-30℃で瞬間冷凍することで細胞が壊れることなく、素材のおいしさをそのまま閉じ込めることができるのだ。解凍のしかたさえをしっかりと守れば冷凍前のおいしさをそのまま再現することができる。こうした技術をさらに駆使し、普段味わうことのできない、新潟県民にとって身近な野菜や果物の美味しさを全国の人々に知ってもらいたい、そして新潟の生産者がさらに元気になれるようにドレッシングを通じて新潟の魅力を発信しつづけることが自分たちの使命だと奮闘する「八百屋半吾兵衛」が醸す世界を是非一度味わってみてほしい。

ACCESS

八百屋半吾兵衛(野島食品株式会社)
新潟県三条市興野1-2-46
TEL 0256-33-0163
URL http://hangobei.jp