菓子作りでは砂糖に素材を加えると固まらないとされており、
これまでの金平糖はカラフルで美しくても味の種類は砂糖味だけでした。
しかし緑寿庵清水は研究の末、この常識を覆し、様々な味の金平糖作りに成功。
現在では、約90種類の金平糖を製造、販売しています。
大人気を博した緑寿庵清水の金平糖
金平糖が日本に渡ってきたのは、戦国時代の1549年といわれている。カステラなどともに、南蛮菓子として伝えられた品々のひとつで、中でもひときわ美しく大変人気を博したという。ただし、その製法までは伝えられなかったらしく、日本で金平糖が作られ、庶民間でも知られるようになったのは、江戸に入ってからのことだ。 今回訪れた「緑寿庵清水」は日本で唯一の金平糖専門店。日本で唯一、というのが意外にも思えるが、その理由のひとつは、金平糖作りは非常に根気が必要で技術を要する作業だから。金平糖はイラ粉というもち米を細かく砕いたものを核にして、そこへ砂糖を溶かした蜜をかけては乾燥させていく。この単純な作業をなんと1種類2週間以上も続けなくてはいけないのだ。
新しい風味を実現させ、豊富なメニューを揃える
レシピがなく、イガを出す技術の習得に20年もかかる金平糖作りは、職人が常に金平糖の状況を見ながら、釜の回転の速度、角度、密の濃度などと調節しなければならず、片時もそばを離れることができない。 さらに、お菓子作りでは砂糖に素材を加えると固まらないとされ、これまでの金平糖は着色した砂糖味だけのものだった。だから見た目には美しくても、味は「砂糖を固めたもの」という域を出なかったが、こちらでは研究を重ね、さまざまな風味の金平糖作りに成功した。
チョコレートやブランデー、梅酒など、いまでは50種類ほどの金平糖を販売している。 戦国時代に南蛮から渡り、江戸時代になってからは高級菓子として重宝されてきた金平糖。「元」本場のヨーロッパから見たら、現在の「日本伝統菓子」としての金平糖はどう映るのだろう。きっと、こんなにおいしい金平糖は見たことがないと驚くのではないだろうか。
江戸時代から一子相伝で200年近く続く伝統を守りながら、挑戦する心を忘れず、「緑寿庵清水でしか味わうことのできない金平糖」を追求しています。本物の味・色・形を是非、お召し上がりくださいませ