安心安全な有機飼料で贅沢に育てられた、「福島養鴨場」の極上のま鴨/新潟県新潟市

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こだわりは美味しい餌とストレスのない環境

新潟県中部から北部に位置し見渡す限りに田んぼが広がる越後平野の真ん中、弥彦山を遠くに望むのどかな土地に、半世紀以上もの歴史がある養鴨場がある。「鴨匠」と呼ばれるほど、鴨について知り尽くした養鴨の巨匠、福島定一さんが通称「青首(あおくび)」と呼ばれる「ま鴨」の養殖を行っている「福島養鴨場」だ。元々は5代続く米農家。昭和40年代の米余りによる生産調整で転作を強いられた際、先代が養鴨をはじめたのがきっかけだった。まだ牛や豚などの肉を自由に食べることがままならない時代から、鴨は田んぼに飛来してくる馴染みのある生きものであり、それを食用にする文化が昔からこの地域にはあったのだという。

養鴨歴50年を超える福島さんには、もはや鴨について知らないことがないくらいだが、若いうちは失敗と試行錯誤の繰り返しだった。育てた鴨を人から「美味しい」と言われるようになるまで、ずいぶんと時間がかかった。養鴨を始めてからA4サイズの大学ノートに午前・午後・夜に分けて毎日欠かさず飼育日誌を書き溜め、良い結果がでたものは継続しダメなものは改善する。それを繰り返しながらようやく納得のいく飼育方法にたどり着いた。福島さんが長い年月をかけて最も工夫したのは、餌の配合と飼育環境だ。「美味しい鴨は餌が良くないとダメ。」それが福島さんの信念である。安い餌ではなく、特にオレイン酸含有率の高い良質な飼料米を餌に使う。与える米はすべて減農薬の自家製で、野菜も農薬を使わないオーガニックな自家製というこだわりようだ。それに加え乳酸菌、はちみつ、糖蜜なども飼料に加える。つまり、福島さんは人間が安心して口に入れているものと同じものを自然飼料として鴨に与えているのだ。安全で良質な餌を食べることで腸内環境が良好になり、糞もいやなにおいがしない。また、鴨をストレスフリーな環境に置くことも福島さんのこだわりのひとつだ。不衛生な小屋や、多くの個体が密集する狭い場所で管理していては大切な鴨に余計なストレスを与えてしまう。鴨たちが自由に動きまわれるよう広く、水場はいつも掃除が行き届いた清潔な飼育場を作った。鴨たちの表情をみると、どこか幸せそうにさえ見える。そのお陰だろう、福島さんの養鴨場で半年間かけてじっくり育てられた鴨は、遠目にも羽根に艶が感じられて、立ち姿も美しくその気性もおだやかでこころも身体も健康な美味しい鴨に育つ。

余すことなく料理を堪能できる福島養鴨場のま鴨

味も安全性も確かな福島さんの鴨は毎年リピーターによる注文が多い。出荷のシーズンは11月から1月の半ば頃までととても短く、シーズンの終わりを待たずして売り切れてしまうことがほとんどだ。特に美味しいのは11月から12月中旬、雪が降り始める前の時期だという。脂ののりが良く、鳥の肉なのにサシがある。低カロリーで栄養価が高いのも特徴だ。焼いても鍋にしても美味しい。内臓類についてもクセがなく美味しく食べられる。そして骨も砕いてミンチ状にして食すことが出来る。羽を除けば捨てるところがないのが福島さんの鴨なのだ。

「あの鴨の味が忘れられない。また鴨飯が食べたい」と言って名だたる料理人や世間で知られる著名人などが福島さんの自宅を訪れることもあるという。福島さんの奥様が作る鴨飯が絶品なのだ。一口大に切った鴨肉が浸るくらいの濃口醤油で軽く煮たら、それを炊き立てご飯に混ぜるだけのレシピ。鴨からでる脂の旨味と火を入れた醤油の風味が絶妙なハーモニーで何杯でもいけてしまう。この時使う米は福島さんが丹精込めて育てている「かも米」。福島さんの育てているま鴨を使った「ま鴨農法」で化学肥料や除草剤を使わず安全に作り上げ、毎年丁寧に収穫されているものだ。このかも米との組み合わせが他では味わえない福島さんの美味しい鴨飯を完成させる。

採算は考えずただひたすらに美味しくて良いものを送り出し、喜んでくれる人の笑顔が見たいと願う福島さんの人柄に自然と人が集まってくる。70歳を超え、いよいよ達人の粋に達した福島さん。鴨や米以外にもシーズンに合わせて、ぶどうやそら豆といった農作物も育てながらその時々の旬を収穫し味わう喜びを大切に暮らしている。儲けには興味が無く、家族や大切な人が安心して口にできるものを作りたいのだと話す。

晩秋から初冬にかけてのプレミアムな旬の味覚として、美食家を唸らせる福島さんの鴨。ぜひ一度は試してみてほしい。あなたの忘れられない味になるに違いない。

ACCESS

福島養鴨場
新潟県新潟市西蒲区大関13
TEL 0256-88-6495
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